私はハードコンタクトレンズを長年使っています。これは今使っているコンタクトレンズケースなのです。一見、「あ、そう。」で終わってしまうと思いますが、このケースは私の反面教師でした。
使った事のない方にはわかり辛いでしょうが、縦に置いて使います。
これが…、保存液を入れたばかりで何度倒した事か!
御覧の通りかわいく丸みを出してデザインされたばかりに
とても不安定ですぐに倒れてしまうのです。
使い勝手はとてもとても悪く、本末転倒のデザインです。

私は何が言いたいのかと申しますと、
デザイナーはコンタクトレンズケースをどうやって使うかをまず考えなければならない。
消費者は購入する時はそこまで知恵がまわらない。
プロが先回りして考えるべき事柄である。…ということです。

建築設計にも同じ事がいえます。
さまざまな想定や、住まい方、使い方を考えた上での
居心地良さ、空間デザインでなければならないのです。
住まい手の希望、住まい方を吟味し、住んでからでなければわからないところまで
ある程度想像し、先回りしてこそプロだと思っています。

2003.9.4 今朝も倒して くっそー と怒った筆者でした