広い敷地に母屋、2階建ての離れ、作業場、ガレージ、農機具小屋など、複数の建物のある農家住宅です。築120年の母屋は痛みもゆがみもほとんどない、立派な物でした。ここを残すべきだと考えました。

元々は中庭への通り土間となっていた玄関。20年ほど前に増築したダイニングキッチンには下足が必要で、台を置いて行き来できるようになっていました。

廊下から突き当たった壁の向こうがペットエリアです。気配が感じるようにしたいと、土壁を少し落として小窓に。杉板の飾棚を取り付けました。

北側の廊下。中庭(右)のサッシは掃き出しを小窓に変えます。断熱性能を上げ、中庭も眺められます。

既設のはしご階段は位置を変え、2階(天井裏)の冷気が入らないように扉を設けました。

緩やかになった階段。2階(小屋裏)から下階を見る。しっかり断熱材を敷き詰め、合板が乗せてあります。

 

リビングの吹き抜け。2階の一部の床を抜き、Jパネルを貼って水平剛性を保ちます。屋久杉の貴重な建具は再利用します。

リビングのTVボード。漆喰色の珪藻土と白のスライディングウォール(建具、左側)が溶け込みます。

仏間と床の間を残し、和室も琉球畳を入れ、建具は3本引きに。天井高さを取るため床組をやり直し、既設鴨居に合わせます。足固めも取り付け直しました。

狂いが少ないとはいえ、120年経った柱、鴨居に3本引建具を取り付けるのは至難の業。職人の腕が光ります。

北の和室を寝室・WICLとしました。既設の建具は足を付けて再利用。当時の建具職人のオリジナルは美しく凝っています。戸を開ければ廊下越しの小窓から中庭が眺められる設計です。

WICLは、イケアの収納パーツを組み合わせて使い勝手よく。コスパも最高です。

既設キッチンをコンパクトに使いやすくパントリーを設置。ダイニングテーブルはJパネルを使って製作してもらいました。天板のみメラミンを貼って汚れにくく。

奥行き650のイケアのキッチン収納。引き出しは内部に2~3段設置。見た目シンプルの大容量です。

中庭からは小さな勝手口を設け、ペットが出入りします。杉板貼り。とても居心地がいいらしく、気に入ってもらえました。

母屋にトイレを新設しました。手洗いと収納も設けました。

縁側の床下の換気窓。伝統工法は、基礎はなく石場建てです。床はしっかり断熱し、床下風の抜ける仕様です。

リフォーム前の通り土間の玄関。中庭まで抜けています。ガラスの入った建具のみで外部と区切られており、外気温と同じ状態です。ダイニングキッチンが向かって右側。不便なので床でつなげたいとのご希望でした。

リフォーム前の階段。急で手すりもないため危険です。通り土間に面していました。

北側の廊下と和室。この建具を残すことにしました。掃き出し窓は省エネの小窓に変更し、壁も断熱しました。

北の和室から南の和室を見たところ。梁の下端は178mm。天井を上げるため床を下げることにしました。南の和室はリビングに。